「大学生活ってどうだった?」
コードアカデミー高校の卒業生が、大学の卒業が決まったと久しぶりに高校に報告にきてくれました。
この春、慶應義塾大学を卒業した吉開拓人くんに、大学生活ってどうだったのか?実体験を語ってもらいました。
今期慶應SFCを卒業した。この春休みから、フリーランスとして本格的に始動したので、今までの学生生活の振り返りと、これからの展望をお知らせしたいと思います。
今までの僕について
中学生の頃からプログラミングを始め、高校はコードアカデミー高等学校という通信制高校に一期生・学籍番号1番として入学し、平日の日中はGatebox株式会社の当時三人目のメンバーとして働いていました。
通信制高校という普通とは違った道を歩むことによる不安と、中学時代に同級生とあまりコミュニケーションを取らなかったことによるコンプレックスが強かった自分は、普通というものに憧れがありました。
自分は尖った人で、どこか決定的に欠けているという自覚が拭えない自分を変えるために、慶應SFCに入学することを決めました。
大学時代
大学では、コンピュータサイエンスにまつわる授業を受けたり、研究をしていました。それ以外の基本的な法律や、一般教養のような科目も選択し、受講しました。
それと同時に、色々な学生ベンチャーでサービスを開発しては、リリースし、次のプロジェクトに移るを繰り返していました。ベンチャーでCTOという肩書きがついたこともあり、その時は勢いに身を任せて大学を中退しそうにもなっていました。
一時期は休学して本気でCTOを頑張っていましたが、自分の体のマネジメントが追いつかず、体調を崩して、その企業を退社しました。この経験は自分にとってかなり大きな挫折になりましたが、この失敗で学んだことがあります。
それは、生き急がなくても、人生は長く、長期的な自己投資が必要であること。僕はWebとアプリが開発できる学生だが、それだけではこの先十分ではない。僕は大学卒業が重要なのではないかと気づき、大学を復学することにしました。
その挫折から、長期的な自己投資として日々できることを考え、
・Githubにオープンソースプロジェクトを公開する
・Webやアプリ開発では終わらない、英語と数学力を身につける
が重要だと考えました。
どんな仕事でも獲得できるパスポートのようなポートフォリオを作成し、大学卒業後に自由に生きるために、Githubにたくさん自作のツールをアップロードしました。
ポートフォリオ:
ポートフォリオ(技術者向け):
Github:
大学では、とにかく英語で話す練習をして、苦手な数学を克服しようと試みました。今では日常英会話程度であればスラスラ話せるようになり、機械学習で使う数学も理解することができました。
かなり単位を取るのには苦労しましたが、無事4年生の後期の授業を無事終えることができました。
大学に行った意味
僕が大学生活を送り、得たものは計り知れません。
・賢い友人達
・極論ではない価値観
・コミュニケーション力
・力を抜いてリラックスすること
・高度なコンピュータサイエンスの知識
・苦手なことは、考え方一つで大得意になる
・不完全な自分の受容
慶應SFCには、尖った人もいるし、普通の大学生もいる。普通も含めて真の多様性なのだということを学びました。
多様性のキャンパスで、0か100かではない、その中間の考え方が身につきました。それにより、人を論破しようとすることがなくなり、他人の考えを認めることができるようになりました。
そして、大学生と一緒にグループ課題をやる時には、やる気のない人も含めて、うまく誘導するようにコミュニケーションを取らないといけません。それが僕のコミュニケーション力を飛躍的に向上させました。
途中でコロナ禍になり、少し自由な時間ができ、コーヒーをドリップして一休みすることも覚えました。人間のキャパシティや体力は有限なので、休むことは本当に重要です。僕は計画的に休むという技術を習得しました。
大学の研究会(ゼミ)は、できる限りたくさん入ってみました。サイバーセキュリティ・機械学習・Webなど、ITの中でも幅広い分野の知識を身につけることができました。卒論はブロックチェーンについて書き上げました。
自分は昔から運動と掃除と身の回りのことをするのが苦手でした。自分には絶対にできないと思い込んでいましたが、大学生活を送る間に、もしかしたらそれは思い込みかもしれないと思い、工夫して挑戦してみると、僕の苦手なことは全て大得意になりました。強い問題意識は、時に問題の原因となります。
そして、一番学んだことは、普通の人はもちろん、優秀な人や天才でも、みんなどこか欠けていて、完璧に全てをこなせる人はいないということ。高校時代から、自分は大きく欠けていると思っていたけど、結局みんな同じで、みんなも素晴らしいし、僕も昔から素晴らしかったんだと気づきました。
大学に行く意味は『今は想像できない未来の輝く自分を見つけること』だと思います。大学は、他のどこでも経験できないことを経験でき、そこで想像できないほど自分が進化する可能性があります。僕の場合、生き急がずに中間の考えを持つこと、長期的な投資を意識して生活することでした。こうして考えると失敗は全て今の僕を支えています。
僕が大学で受けた授業の一覧はこちらです。ITエンジニアになるために、SFC受験を考えてる方の参考になれば幸いです。
https://docs.google.com/spreadsheets/d/12Uj9i0IGsaX0OM70Fgb5FMeEYcYfVvisL3Nx015Jw_Q/edit?usp=sharing
これからの活動について
これからやりたいことはいくつかあります。
一つは、フリーランスエンジニアとして活動し、実績とポートフォリオを増やすこと。楽しい仕事をずっと貰えるような、誰がみても強いエンジニアになることです。そこから得た人とのつながりによって、周りと一緒に幸せに暮らしていけたらと思います。
もう一つは、自作キーボードの設計と販売です。プロフェッショナルとして、仕事道具にはとことんこだわりたいので、自分の手にフィットする、究極のキーボードを設計して、いろんな人に使ってもらいたいと考えています。
僕の夢
僕の夢は、自分の技術力で不自由をしない魔法使いのようなエンジニアになることです。
僕は仕事でこのスキルを使いますが、自分の生活をより豊かにするために、自分のためにこのスキルを使いたいとも思っています。
このコンピュータが制御する現代社会で、それらを操ることができる僕らエンジニアは、魔法使いのような存在になれます。僕は自分のスキルで不自由しないダンブルドアのような魔法使いになれるように、日々楽しんで開発していきます!